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2009年11月21日

札の辻・21

 会期も終わり近くなり中原中也記念館に-湯田温泉物語-企画展を見る。
 湯田温泉の発見伝説「防州吉敷郡湯田温泉記」や室町期に山口を訪れ十境の詩を詠んだ中国人趙秩の「湯田春色」をはじめ中原中也、種田山頭火、嘉村礒多、吉井勇、大岡昇平、司馬遼太郎など湯田温泉にゆかりのあった文人たちの色紙、短冊、書簡や作品を展示する。
 司馬遼太郎は紀行文学・街道をゆくの中で湯田温泉に数度宿泊し、宿の風格や、料理に同行の画家風間氏と共に改めて長州を感じたと書く。
 戦前・戦後の写真もある。川があり橋のある湯町の情緒ある風景がなつかしい。中也の子供時代から結婚記念、中原一家の写真には中也の詩“帰郷”の故郷思考が重なってくる。
 大岡昇平は友人中也回想のなかで『中也は長州人のもつ風土的な宿命感から逃避したい心境をひそめながら湯田は中也にとって小林秀雄にも述懐しているごとく湯けむりに詩情を暖めたいふるさとだったのではないか』と述べる。
 ―昼は酒一杯うどん一杯でむろん千人風呂に入った。これが目的の大半だから温泉はほんとうに良い―と山頭火の湯田風来居日記である。


 どんぶりと湯の
 あつくあふれる
 まひるひろくて私
 ひとりにあふれる湯
 記念館を出ると温泉宿の庭から落葉が風に舞っていた。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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