2010年01月23日
札の辻・21
年明けから寒気団におおわれ寒い日がつづき、寒中に思うのはさらなる北国の冬景色である。北の自然、北の野生などと北という字が目立つ2月の北海道宗谷岬に行ったことがある。
シベリアからの季節風が吹き抜けて海峡の雲が切れ、透明に近い冬の光が甦る水平線に、サハリンの島影が遠望され岬の先端に記念碑があって北緯45度31分の数字が刻まれていた。
最近手に入れた新刊のA3判大型世界大地図を広げると、ハンブルクは約54度、コペンハーゲンは約56度、ストックホルムとモスクワが約60度で宗谷岬より北緯となる。
雪と氷と白夜の国の極寒を偲び、さらに太古の姿をとどめるカムチャッカとアラスカにヒグマや白熊の生態をレンズに求めた写真家星野道夫と岡田昇の耐寒記がある。
=テントの上に積る雪の中で氷原の彼方に舞う不思議な光を見つめた。一万数千年前の遠い昔にアジアから渡ってきたモンゴロイドの人々もまたこの夜のようにオーロラの下を旅したであろうか=とアラスカの星野道夫。=ツンドラの大地だが私は精神的に充実してきた。ヒグマたちは日々戦い、喰い、眠りながら悠々と生きている=とカムチャッカで岡田昇、ふたりとも凍てつくカメラを離さなかった。
「地図は見るだけでなく読むものである」とは司馬遼太郎。
北極圏に寄せるわが連想の氷柱である。(鱧)
シベリアからの季節風が吹き抜けて海峡の雲が切れ、透明に近い冬の光が甦る水平線に、サハリンの島影が遠望され岬の先端に記念碑があって北緯45度31分の数字が刻まれていた。
最近手に入れた新刊のA3判大型世界大地図を広げると、ハンブルクは約54度、コペンハーゲンは約56度、ストックホルムとモスクワが約60度で宗谷岬より北緯となる。
雪と氷と白夜の国の極寒を偲び、さらに太古の姿をとどめるカムチャッカとアラスカにヒグマや白熊の生態をレンズに求めた写真家星野道夫と岡田昇の耐寒記がある。
=テントの上に積る雪の中で氷原の彼方に舞う不思議な光を見つめた。一万数千年前の遠い昔にアジアから渡ってきたモンゴロイドの人々もまたこの夜のようにオーロラの下を旅したであろうか=とアラスカの星野道夫。=ツンドラの大地だが私は精神的に充実してきた。ヒグマたちは日々戦い、喰い、眠りながら悠々と生きている=とカムチャッカで岡田昇、ふたりとも凍てつくカメラを離さなかった。
「地図は見るだけでなく読むものである」とは司馬遼太郎。
北極圏に寄せるわが連想の氷柱である。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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