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2010年02月06日

札の辻・21

 先日NHK松山放送局主管「俳句王国」の投稿句の中に、
 小さき靴一二三四
 春を待つ
という目線を幼児に置くほのぼのとした入選句があった。
 暦の上では大寒が過ぎ節分があり立春を迎えても、寒冷前線は寒さの帳を除けようともしない。春浅し、春めくという自然のきざしを待ちわびる感じの冒頭句と同じ想いの童謡「春よ来い」が浮かんでくる。
 春よ来い 早く来い
 あるきはじめた
 みいちゃんが
 赤い鼻緒の
 じょじょはいて
 おんもへ出たいと
 待っている
この歌の作者は早稲田大学の校歌「都の西北」を作詞した早稲田文学の編集者相馬御風である。
 御風は自然主義文学の評論家で詩人だった。三木露風、野口雨情らと詩社も結成し、島村抱月と合作した“カチューシャの唄”は大正ロマンの伴奏詩ともいわれる。
 晩年は新潟の糸魚川に帰郷し、やはり雪国の越後でひとり思想生活を送った僧良寛の研究に没頭する。
 一切の欲を捨て、村のこどもたちと無心に交わった良寛に歌がある。
 霞たつ長き春日に
 子供らとあそぶ春日
 は楽しくあるかな
春よ来いの歌は素朴で暖かい良寛の心象風景に重なったかも知れぬ。
 赤い鼻緒も小さい靴も四温の日溜りをあこがれている。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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