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2010年04月17日

札の辻・21

 先日、新聞の読者欄で「お国自慢・郷土料理」に宇部市の女性が「山口・茶ガユ」を投稿していた。「母が時々炊いていた茶ガユが食べたくなる。実家の母がわざわざ縫った木綿袋に番茶を入れて炊きあげるが、さらさらと食べやすく疲れた胃に優しい。サツマイモを入れる人もあるが、私は何も入れず漬物だけで頂く。白い袋はすっかり
茶色に染まってきた」と。
 茶袋は10センチ四方くらいで対角に細糸をかけ番茶を入れて袋の口に巻きつける。
 周防大島出身の歴史家奈良本辰也氏に茶ガユに関する随想がある。
 『茶ガユは奈良県や和歌山県の一部でも喰べるが、山口県の周防・長門では江戸時代から普及していた。以前マルクス経済学の河上肇教授に会ったとき先生は「私も岩国藩の貧乏士族の家に生れましたから子供のときから朝はいつも茶ガユでした」とひとしきり茶ガユ談義をしたことがある。
 長州藩は討幕に備えて勤倹節約を図り藩力を充実させるために武士から農民に至るまで茶ガユを奨励したのだ』と。
 しかし県内で茶ガユを食べる慣習は戦後の食生活の変化から殆どなくなってきた。
 奈良地方でも一般的に茶ガユは廃れつつあるも旅館や観光ホテルでは郷土食として朝食に茶ガユを出し、副食のウリやダイコンの奈良漬と共に人気を呼んでいるという。
 夏も近づく八十八夜の唄が偲ばれる。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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