2010年08月14日
札の辻・21
戦中派としては8月の15日は心奥に焼きつけられた戦争の2字があぶり出される日でもある。
終戦の直後戦没学徒慰霊祭で南原繁東大総長は次の追悼の辞を述べた。
「諸君は武人たると同時に学徒であった。諸君は戦いを決した以上何よりも正義と真理をじた筈である。しかるに不幸にして真理と勝利は米英の上に止った。世界史における厳然たる理性の審判である」(文藝春秋社・昭和史Ⅱ)と。
“戦場にかける橋”というアメリカ映画を想い起こす。太平洋戦争中、ビルマとタイ国境での日本軍による鉄橋建設に関わる映画で、主題曲の「クワイ河マーチ」はイギリスの作曲家ケネス・ジョン・アルフォードだった。1943年、タイ領の日本軍施設の将校捕虜収容所では騎士道精神をもつ英軍将校捕虜と行動的な米軍士官捕虜を管理する沈着的な日本軍将兵との三様タイプの存在が対立していた。
反対から協力に転じて架橋工事に尽力する英軍将校捕虜に対し、米軍の捕虜シアーズ少佐(ウイリアム・ホールデン好演)が架橋中断を要望するも英軍は拒否。しかしシアーズ少佐の仕掛けたダイナマイトで完成したばかりの橋が爆破される。“この橋は英国将校により設計・建設された”という英字説明板のみがクワイ河マーチに乗って流れゆくラストシーン。
戦争のなかにもヒューマニズムが交錯した映像がなつかしい。(鱧)
終戦の直後戦没学徒慰霊祭で南原繁東大総長は次の追悼の辞を述べた。
「諸君は武人たると同時に学徒であった。諸君は戦いを決した以上何よりも正義と真理をじた筈である。しかるに不幸にして真理と勝利は米英の上に止った。世界史における厳然たる理性の審判である」(文藝春秋社・昭和史Ⅱ)と。
“戦場にかける橋”というアメリカ映画を想い起こす。太平洋戦争中、ビルマとタイ国境での日本軍による鉄橋建設に関わる映画で、主題曲の「クワイ河マーチ」はイギリスの作曲家ケネス・ジョン・アルフォードだった。1943年、タイ領の日本軍施設の将校捕虜収容所では騎士道精神をもつ英軍将校捕虜と行動的な米軍士官捕虜を管理する沈着的な日本軍将兵との三様タイプの存在が対立していた。
反対から協力に転じて架橋工事に尽力する英軍将校捕虜に対し、米軍の捕虜シアーズ少佐(ウイリアム・ホールデン好演)が架橋中断を要望するも英軍は拒否。しかしシアーズ少佐の仕掛けたダイナマイトで完成したばかりの橋が爆破される。“この橋は英国将校により設計・建設された”という英字説明板のみがクワイ河マーチに乗って流れゆくラストシーン。
戦争のなかにもヒューマニズムが交錯した映像がなつかしい。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻