サンデー山口

　鳥取砂丘近くの町で造り酒屋を営む友人よりの残暑見舞いに、
　砂山をのぼりくだり
　や星月夜　　　草城
の句があった。
　東西16キロ、南北2.4キロに及ぶ広大な砂丘は、日本海から吹き抜ける風をうけ四季それぞれに朝、昼、晩と異なった表情を見せる。
　以前、日本海テレビ主管のイベントで夜間の砂丘見学に参加した。
　満天に星が散りばむ日本海の夜空にはいくつかの流星が目にとまった。
　太陽系内（惑星間空間）の流星体が地球大気中に突入したとき発光する現象が流れ星である。通常は落下中の光熱で蒸発し地上までは届かない。まれに燃えつきずに地表面に落下したのが隕石で山口市にも仁保地区で確認されている。
　流星群はその放射点の方向にある星座の名称を冠し、ペルセウス座流星群（初秋）、オリオン座流星群（中秋）、そして獅子座流星群（晩秋）などと呼ばれる。
　日本各地には古くから流れ星を「遊び星」「縁切り星」「追いかけ星」等の方言がある。
　作家井上靖の詩に「流星」があった。
　　　流　星
　日本海の砂丘で流星
　を見た。
　一条の青光をひらめ
　かし、ひとり恒星群
　から脱落する星の終
　焉にはおどろくべき
　清潔さがある。

　一通の残暑見舞いが夜の秋を知らせた。（鱧）