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2010年09月25日

札の辻・21

 先日、山口市民大学講座で“弱者が強者になるために”と題した前東北ゴールデンイーグルス監督野村克也氏の話を聞く。
 氏は最初に山口県は全くはじめてだが、南海ホークス時代で一緒に働いた山口県出身の投手戸川一郎が居たと口火を切った(注)戸川は柳井高出身で1954(昭59)年から58(昭33)年まで南海の投手として活躍、彼は鶴岡監督のもとで2年間に20勝の切り札投手である―。
 京都府下丹後半島にある京丹後市出身の野村は早く父を失い母子家庭に育ち、中・高生時代はアルバイトの新聞配達。食事弁当はイモヅル、梅干しだけの貧しい日々がつづき、何になりたいかと問われたら金持ちになりたいと答えたという。
 カネボウに勤める実兄の努力で母の理解をとりつけてようやく南海ホークスのテスト生となり3年目に選手の仲間入りを果たしたと語る。
 野村の南海ホークス時代のプロフィルがプロ野球記録大鑑(講談社版)に次の記載がある。
―現在ではあまり実施されていないが、往年にはダブルヘッダーがあり南海の野村捕手は5シーズンで103回出場、このうち1963(昭38)年には52本塁打を記録し体力、気力の充実を見せた―。
 「お母さん3年間ほど目をつぶって下さい」と伝言してプロ野球に投じた人生の球道が存在する。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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