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2010年10月23日

札の辻・21

 作家津村節子は瀬戸、信楽、備前、萩などの古窯をはじめ、沖縄から韓国へと窯元を訪ね陶磁器の多彩な魅力と作風に感動し、伝承美を固有しながらも新感覚に挑戦する陶芸家たちを著作「土と炎の里」にまとめる中で萩焼のもつ釉色と品格を強調する。
 いま山口市の井筒屋で萩焼作陶25周年を記念し、山口では5年ぶりの大和努展が開催中である。
 なぜ自分は土に触れ、土にいのちを吹き込んでいるのか、絶えず意識しながら意義を見出そうと努力している大和努氏の個性が、今回出品されている花器、壺、茶?など各々に躍動感をにじませながら展示されていることに新鮮なおどろきすら感じる。
 萩焼には古来、東光寺、指月、須佐、宮野、俵山など朝鮮半島から毛利藩に帰化した陶工李勺光と弟の李敬が築窯以来の伝承がある。しかし伝承の重さを担いながらも陶芸の新時代を先駆ける。
 今回展示されている作品の花器、香炉、酒杯などを見て、

 粉引葉脈彩二面捻花器
 
 白釉印花文箔彩壺

 の2点には、かつて県立美術館で開催された「古萩-その源流と周辺」展で展示された江戸時代の萩焼が、現代にも通じる新鮮な感覚を保持していたことを思い出す。
 大和努作品展で浸透性のある萩焼固有の感性を堪能する。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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