2011年01月29日
札の辻・21
今冬は雪の日が多い。
日本列島の冬の特徴といえば、日本海側と太平洋側の気象が仕分けされることである。その特徴をつくり出しているのは季節風と日本海と山脈である。北西季節風は初冬から早春までつづき、季節が移るにつれて中国大陸では氷点下30~45度までも気温が降る。その大陸からの寒気団は列島山脈を越え太平洋側に移るとき乾燥した空気に代わるが、九州西岸、周防灘から四国瀬戸内側では風雪が強くなり天気は日本海側に似通ってくる。
山口市内でも阿東地区は日本海側に面した内陸山間地帯に位置するので冬の積雪が多く、これまでにも山口県の北海道と呼ばれてきた。記録によると1962~63(昭和37~38)年の2月に各々105センチ、185センチの積雪に見舞われ各々町内の交通、通信が途絶し、雪崩避難命令に至り山口自衛隊の出動が20日間にわたって幹線道路の除雪作業が行われるに至った。
火野葦平、中野実、棟田博らと共に兵隊作家と呼ばれた阿東篠目出身の氏原大作に「雪国だより」という短編がある。「東海道から山陽路にかけての旅で、小郡から山口に入りいくつかのトンネルを抜け、田代のトンネルを出ると吹雪がうずまいている。わたしの記憶では春が来るまで殆ど黒土を見ることはなかった」の一節である。
現在、長門峡入口にある氏原大作文学碑はこの冬何度か雪綿帽子を被ったことだろう。(鱧)
日本列島の冬の特徴といえば、日本海側と太平洋側の気象が仕分けされることである。その特徴をつくり出しているのは季節風と日本海と山脈である。北西季節風は初冬から早春までつづき、季節が移るにつれて中国大陸では氷点下30~45度までも気温が降る。その大陸からの寒気団は列島山脈を越え太平洋側に移るとき乾燥した空気に代わるが、九州西岸、周防灘から四国瀬戸内側では風雪が強くなり天気は日本海側に似通ってくる。
山口市内でも阿東地区は日本海側に面した内陸山間地帯に位置するので冬の積雪が多く、これまでにも山口県の北海道と呼ばれてきた。記録によると1962~63(昭和37~38)年の2月に各々105センチ、185センチの積雪に見舞われ各々町内の交通、通信が途絶し、雪崩避難命令に至り山口自衛隊の出動が20日間にわたって幹線道路の除雪作業が行われるに至った。
火野葦平、中野実、棟田博らと共に兵隊作家と呼ばれた阿東篠目出身の氏原大作に「雪国だより」という短編がある。「東海道から山陽路にかけての旅で、小郡から山口に入りいくつかのトンネルを抜け、田代のトンネルを出ると吹雪がうずまいている。わたしの記憶では春が来るまで殆ど黒土を見ることはなかった」の一節である。
現在、長門峡入口にある氏原大作文学碑はこの冬何度か雪綿帽子を被ったことだろう。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻