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2011年03月05日

札の辻・21

 萩市笠山山麓のヤブツバキが先月下旬から咲きはじめ見物客で賑わっているという。
 山口市でも鳳翩南側の山あいなどには自生のヤブツバキが開花期を迎えてきた。
 わが国の照葉樹林帯に花をつけるヤブツバキは、気象の温暖化に伴い太平洋側と日本海沿いの暖流海岸を東北地方にまで北上する。
 ヤブツバキの自生北限地帯が青森県にある。それは東津軽の椿山で日本海側の夏泊半島の北端に位置している。
 地元紙の“秋田の自然”によると、ヤブツバキは海岸近くの傾斜地に自生する約1万本で幹回り2メートル程度が多く、毎年4月に開花期となりその群落は国の天然記念物指定となった。
 山口県と高知県の一部にあるヤブツバキの純林は他の雑木を間伐して造成されたものだが、自然体が保たれて集合した樹勢は見事である。
 山口県下の椿ゆかりといえば、椿八幡宮と呼ぶ神社が萩市と旧小野田市に萩市内には椿町、椿浦など椿の地名が多い。
 防府市と周南市の境には椿峠があって旧藩時代の防長風土注進案に「徳山より西へ椿峠に至る。此所に茶屋あり珍らしければ立寄り蕎麦を食す、人家十軒にて郡境なり」と記載されている。
 紅椿、白椿、八重椿、雪椿、玉椿などの各種が部厚い葉の間に花開く大輪が魅力。
 ツバキはメジロによる鳥媒花でもある。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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