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2011年06月04日

札の辻・21

 5月下旬頃から仁保や徳地の山あいで白い花をつけた樹を見かけるのはヤマボウシである。
 ヤマボウシは樹高が5・6メートルにもなるミズキ科の落葉樹で、白い4枚の花弁のように見えるのは苞片で、花そのものは4片の中心部にある丸く小さい青い花粒が密集し球状になっている。
 ヤマボウシ(山法師)と呼ぶのは中心部の小さく丸い花粒の集合体を坊主頭にたとえ、これを巻く苞片を白衣と見たことによるとの伝承からである。
 ヤマボウシも最近では庭園や街路樹に植栽されているが、箱根ではゴルフ場近くに原生林があり、これを避けてコース造成が行われ初夏には満開の白い花模様の苞の群落が美しい。
 わが家の庭隅にもヤマボウシが一本あり、いま白い花苞を枝いっぱいにつけている。市内のゴルフ場にコースが拡張されたとき、1メートルほどの幼木が掘り捨てられていたものをゴルフ仲間の友人が拾い植えてくれた。それから約20年で5メートルにも成長し、毎年5月下旬から白い花模様を枝いっぱいにつけてくれる。
 俳句歳時記に山法師として―落葉高木、山地に自生し広卵形の葉が対立する。5、6月頃枝上に純白四辺の総苞を花びらのごとくひろげ、その芯に緑黄色の細かい頭上花があり地味だが趣のある花姿、秋には熟した果実が桑の実に似て食用となり山桑ともいう―。
 朴の花、泰山木と初夏は白い花である。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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