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2011年07月02日

札の辻・21

 “飯鮨の 鱧なつかしき  都かな”     其角
 京阪ではツユ明けの頃から愛染祭、住吉祭、祇園祭と夏祭りがつづき、7・8月は町筋にハモ料理が目立ってくる。
 京阪だけではない、瀬戸内海一円と九州の沿岸でもハモ漁と料理に最盛期を迎える。
 作家渡辺淳一は「ハモは梅雨どきが一番うまいと思う。うっとおしい梅雨空にハモの白身はあざやかで京料理の真髄でもある」と近著?これを食べなきゃ”に記述した。
 京都では祇園まつりをハモ祭りと呼ぶほど季節料理の主役となるが、東北・関東ではハモの水揚げが少なくウナギやアナゴが好まれてきた。昔からハモ好みでないことは骨切りが面倒で気短な江戸ッ子には向かないといわれ、また関東以北のハモは小ぶりでうまくないとの定説もあった。
 ハモ料理には多彩な調理をいとわぬ京風食文化の本筋が存在する。
 ハモはウナギより大きく小骨も多いので特別に大型の骨折り包丁で幅3センチ程の切身に、24回もの刃を入れて、照り焼、刻んだ皮とキウリをまぜるハモキュウ、葛粉をまぶして茹でた牡丹ハモなどがあり、山口のハモ料理店でも卵巣、肝臓などすべてがうまいという。
 ハモはかまぼこ、はんペンの素材に適し、江戸中期の1830(文政13)年の「嬉遊笑覧」にも紹介されている。
 小欄末尾の記載文字「鱧」はレイだが友人達はハモさんと呼ぶ。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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