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2011年07月09日

札の辻・21

 「3月場所が中止? やればいいじゃないか。楽しみに待つ人も居るのだから、相撲ジャーナリストって何なのだ。相撲とつき合っていてその本質がわかっていないのか」防府出身の作家伊集院静氏が某週刊誌3月に寄せた記事の一部である。
 2場所見送られた大相撲が名古屋で本場所を迎える。先日放駒理事長から電話があり
 『冬から春まで大相撲の本質もゆらぎかねない日月を経て、国技としての伝統を維持することができました』と彼らしい真面目で前向きの言葉に自信も伝わってきた。
 河出書房版の吉村昭エッセイ集に「ちょんまげを今もって結っている大相撲は古風である。その古風さが大相撲の本命だ。愚しく新しがり屋に屈せず大相撲は古風さに徹してもらいたい」と。
 元九大教授で文芸評論の高橋義孝氏は「大相撲の改革説や合理化論を唱えるのは、相撲の歴史性や特殊性を当初から無視して西洋伝来のスポーツと同一視している人に多い。世代の変化が相撲文化を遠ざけている」と。
 昨年亡くなった初代若乃花氏は私と同じ昭和3年生れで、魁傑(放駒)を通して花籠部屋以来個人的につき合った。氏は『西森(魁傑)は良識派だ。ワシはいちばん期待する』とチャンコ鍋を囲みながらの話も残る。
 大相撲再生の名古屋場所で郷土力士の豊真将、豊響は魁傑につづく闘魂みなぎる相撲を見せて欲しい。      (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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