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2011年07月30日

札の辻・21

 太平洋はるばる
 土用鰻かな

 このほど新聞俳壇に載っていた投稿句である。
 ウナギは遠くフィリピン東方沖の海域で孵化しレプトセファルス幼魚となって東南アジア沿岸に漂着するとシラスウナギとして各河川を遡上する。夜行性の貪食家で川エビ、川ガニなどを捕食し生長してゆく。
 日本人とウナギのつき合いは古い。万葉集の巻十六に大伴家持のウナギに寄せた和歌をはじめ、「江戸の背割り大阪の腹裂き」といわれたごとく江戸時代から関東関西でウナギは庶民の味覚であった。
 歌人斎藤茂吉は70年の生涯で一万八千首を詠んだが、その創作意欲を支えたのはウナギだった。茂吉全集の茂吉日記にはウナギに関する記述があふれている。茂吉の食べたウナギについては随想「茂吉と鰻」が短歌新聞社から出版されたほどである。茂吉の次男北杜夫は「おやじのウナギは医学的には解明できない。心理的な自己暗示だろう」と解説している。
 わが体験から言えば、ウナギ屋は待たせるものと決まっている。活ウナギをさばき串を打って白焼にし、関東流なら一度蒸してからタレをつけてとなると30分ほどはかかる。お新香で酒をふくみながら待つ。
 ウナ重でもウナ丼でも良い、土用の食感はウナギ昇りである。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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