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2011年08月13日

札の辻・21

 祭りの夏が過ぎ、南から北へと移動する春の開花期とは逆に、秋の七草を代表するススキ(尾花)は北海道で7月末、本州で8・9月、屋久島では10月と北から南へと進む。その開花時期を秋到来とすれば北海道の秋色は早い。
 大正末期から昭和初期にかけて巷に流行した「俺は河原の枯ススキ」の船頭小唄があった。第一次世界大戦後の不安定な世情をもとに、当時の暗い生活に沈むサラリーマン達に迎えられ、同名の映画までも製作された。
 ススキは枯草になっても日本人の生活感情に捉えられている。万葉集や枕草子でススキは秋の情趣とされ、さらに俳句の境地に入ると蕪村は“山は暮れて野はたそがれのススキかな”で無情のシンボルとしている。
 昭和も終戦前の農村部にはカヤ葺屋根の農家と水田または野菜畑の風景が多く見られ、画家向井潤吉は全国的に農村を画題としていた。
 カヤ葺屋根は草屋根とも呼び、カヤのほかにムギ、イネまで使用され西日本に至るほどムギ使用の比率が大きくなる。
 山口地方でも戦後の昭和30年代まではカヤ、ムギワラ屋根の農家が田園地区には多かった。
 草屋根は日本だけではない。中国も四川省の水田地農家には草屋根が多い。かつて成都郊外の農村を訪れたとき、竹ヤブに囲まれた草屋根の農家ではニワトリが放飼い、約40年前の山口も重なってきた。     (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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