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2011年09月17日

札の辻・21

 近くの川土手にマンジュシャゲの赤い色を見る。秋の彼岸前後に花を開くので彼岸花の別称もある。地表からいきなり花茎を太く伸ばして咲き盛り、炎のように感じる真紅の花群には到来した秋の季節感が強く漂う。

 歩きつづける
 彼岸花
 咲きつづける 山頭火
 托鉢ぐらしを送りながら淡々と句作をつづける山頭火の彼岸花に寄せた句である。彼は昨日と同じようにひとりで歩く路傍に咲き連なる赤い彩りに惹かれていく。
 サクラや菜の花など春の花前線が気温の上昇と共に南から北へ進むのとは逆に、日脚の短くなるにつれて北から南へと咲きつづけるのはマンジュシャゲである。その短い花期が終わると根茎からみどりの葉を伸ばして寒い季節に耐える。
 マンジュシャゲは古い時代に中国から移植をするとき竹や芋類を包む雑草として渡来したといわれ、わが国は島国で中国やヨーロッパのように大陸つづきでないため海路によった。
 「赤い花なら曼珠沙華オランダ屋敷に雨が降る―」という歌が流行した時代があった。この歌は太平洋戦争前の1939(昭和14)年に、東京日々新聞学芸部記者の黒崎真治郎が作詞したもので、戦後も石畳の坂道や出島など長崎の異国情緒と共に人気を呼んだ。
 ジャガタラお春の唇も彼岸花色か。   (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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