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2011年09月24日

札の辻・21

 直木賞作家古川薫氏の『声に出して読む三国志』が山口新聞で連載がはじまった。
 「微酔した気分で歴史ロマンを秘めた赤壁の賦のひとくさりを口ずさむのは、アジアの漢字文化圏を生きる人間にとって至福のときです」と、わが国の漢詩文の朗読について語る古川さんの連載に寄せた心情がひたむきに見えてくる。
 氏は若年の頃から蘇東波の赤壁の賦を愛読し暗誦するほどだが、赤壁の戦いに至る群雄割拠の知略と戦闘それに豪雄と美女がからむ大乱世のロマンを語る英雄叙事詩として三国志を詩情的にまとめている。
 三国志は魏、呉、蜀の三国に及ぶ中国の史書で、その魏志倭人伝は日本に関する最古の文献のひとつで、日本上代史研究上の貴重な史料である。
 古川三国志は切り口を替えた三国志で赤壁の戦いも叙事詩でまとめられてきた。氏は「幼年の頃に熱中したあの三国志を詩的に再現し読者諸氏に届けたい」と語っているように乱世のロマンを古川イズムで追求する。
 氏には「乱世に躍る武将群像」の作品もある。毛利元就、黒田如水など戦乱時代を馳ける男たちの姿を描いたもので、乱世にしのぎを削る姿に覇権をめぐる裸身像が三国志にも共通する。
 剣を武器とする戦闘も、エレクトロニクスを駆使した近代戦も歴史は極彩色で重ねられてゆく。
 文は情に生じ情は文に生ず(孫楚伝)   (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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