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2012年01月07日

札の辻・21

 山口市郊外の里山でイノシシ猟をしている友人N氏から猪肉が届いたので牡丹鍋で食べた。
 猪狩、猪道(イノシシの通り道)、山鯨は牡丹鍋と共に俳句では冬の季語となっている。
 富士の裾野の巻狩で源頼朝の家来仁田四郎がイノシシを退治した昔話は、明治、大正、昭和初期時代の人ならばたいてい知っている。
 イノシシの肉は前述のように山鯨と呼ばれた昔から食用とされ、野生動物のなかではもっとも味が良いとされた。
 その鍋料理を牡丹鍋と呼ぶのは、花札の牡丹に唐獅子からきたものという。馬肉の鍋を桜鍋、鹿肉を紅葉鍋といずれも花札模様に通じる江戸庶民好みの呼称である。
 江戸期以来猪料理の両国ももんじ屋の看板には牡丹の絵柄に山くじらの黒文字がある。
 イノシシ猟の友人に聞くと肉は雄より雌がうまく、それも若い方が良い。しかし瓜坊と呼ばれる幼少期のイノシシは駄目だという。
 イノシシは多産である。初夏の頃に3頭から10頭近くも産み、仔の体毛に薄い茶褐色の縦縞がある。それがマクワウリに似ているのでウリ坊の呼称となった。動物園でもイノシシは多産で夏季にはかわいいウリ坊の姿を見ることもできる。
 しかし夜行性のイノシシは雑食で田畑の根菜や稲穂まで食い荒らす。
 新鮮な猪肉には獣臭がない。牡丹に唐獅子は味も粋なのだ。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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