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2012年04月07日

札の辻・21

 民俗学柳田国男の「野草雑記」によると兵庫県下のわらべ歌に
 お杉だれの子
 ほうしの子
 ほうしだれの子
 お杉の子
という俚謡があるそうで、もちろんお杉とはスギナのことである。
 ツクシを法師と呼ぶのは、ツクシの先端の胞子穂を坊主頭に見立てたわけという。
 いかにも童話的で長い冬ごもりから解放されて春を迎える喜びが見えるようだが、半面、冬期間中の食べ物に限定のあったかつての庶民生活のきびしさもうかがえる。
 雪空が消えて食膳にのせる野草の味覚は、子供たちが北風のまだ残る路傍で摘んだツクシであったに違いない。
 ツクシを食用にするには、胞子のある成熟前の若い芽立ちを茹でてアクを抜いてから料理する。成熟しすぎたものは水分が少なく風味もない。穂先が締まり茎が太くて短いものには香味がある。三杯酢、カラシやゴマ酢和え、卵とじのいずれにしても野趣満喫となる。
 赤羽根のつつみに
 生ふるつくつくし
 のびにけらしも
 摘む人なしに
 俳人河東碧梧桐が荒川土手で摘んだツクシで、当時赤羽に病む正岡子規を見舞ったときに子規が詠んだ歌である。
 現在の赤羽は団地でマンションが並ぶ。
 わが仁保川土手もネコヤナギが芽吹きツクシが坊主頭を並べる。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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