2012年06月30日
札の辻・21
明日から7月、うっとうしい梅雨時期も終末に近くなり、山口市周辺の山麓や川岸の疎林には合歓の花を見かけるようになった。
ネムノキは落葉高木でその樹高は6・7mが多い。本州、四国、九州の山野に自生し、イランから南アジアまで分布する。しかし北海道には自生種は無いという。
ネムノキは梅雨に入る頃から小枝の先端に花枝を伸ばし、淡い紅色の刷毛を散らしたような花を夕刻につける。しかし葉を閉じる。
松尾芭蕉の「奥の細道」によれば、秋田の象潟に旅して
=松島は笑ふがごとく、象潟はうらむが如し、寂しさ悲しびをくわえて地勢は魂をなやますに似たり=と述べ
象潟や雨に
西施がねぶの花
の句をつくり雨にぬれたネムの花を中国美人にたとえた。
ネムノキを中国では公園木に利用し白楽天の名詩も伝承されている。
県下の阿武地区にはネムノキに対しコウカ、ネムリギ、ショウヤギなどの方言名もあり伝説が残っていると山と渓谷社版“樹の花”に掲載がある。
=村の庄屋が火を絶やさぬように埋火にしておき、村人たちはその火種で暮していたが、その埋火には山からネムノキの薪を貢いだ=と。
樹木の生態、形状、分布には忘れ勝ちな身近な自然美がある。ネムノ花は梅雨ぐもりから夏空への句読点。(鱧)
ネムノキは落葉高木でその樹高は6・7mが多い。本州、四国、九州の山野に自生し、イランから南アジアまで分布する。しかし北海道には自生種は無いという。
ネムノキは梅雨に入る頃から小枝の先端に花枝を伸ばし、淡い紅色の刷毛を散らしたような花を夕刻につける。しかし葉を閉じる。
松尾芭蕉の「奥の細道」によれば、秋田の象潟に旅して
=松島は笑ふがごとく、象潟はうらむが如し、寂しさ悲しびをくわえて地勢は魂をなやますに似たり=と述べ
象潟や雨に
西施がねぶの花
の句をつくり雨にぬれたネムの花を中国美人にたとえた。
ネムノキを中国では公園木に利用し白楽天の名詩も伝承されている。
県下の阿武地区にはネムノキに対しコウカ、ネムリギ、ショウヤギなどの方言名もあり伝説が残っていると山と渓谷社版“樹の花”に掲載がある。
=村の庄屋が火を絶やさぬように埋火にしておき、村人たちはその火種で暮していたが、その埋火には山からネムノキの薪を貢いだ=と。
樹木の生態、形状、分布には忘れ勝ちな身近な自然美がある。ネムノ花は梅雨ぐもりから夏空への句読点。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻