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2012年09月01日

札の辻・21

 炎天つづきであった8月も過ぎ、薄青いススキの穂がゆれる新しい季節を迎えた。
 ことしの夏の話題は高校球児たちの甲子園が中心で、山口県代表宇部鴻城高の熱闘に惹かれる。
 宇部鴻城高はこれまでの代表高と異なり、全くのニューフェイスだったが県代表としては7年ぶりに初戦を突破し8強入り寸前にまで健闘ぶりを見せてくれた。
 テレビでの観戦ながらも東海大甲府高との戦いぶりは見応えのある熱戦を展開した。
 5回に3連打で2点を得たが直後裏に同点とされ7回裏に1点を奪われて遂に8強入りは果たせなかった。
 しかし好守の内・外野陣と、初出場を感じさせない打線炸裂の健闘は県高校球史を飾る。
 熱戦を知らせる新聞記事の中に49年前に宇部鴻城の野球部を創立した当時の社会科の先生であった金重さんの談話が載っていた。
 「野球部をつくった頃、甲子園は夢のまた夢、その夢が目の前となった。これほど幸せなことはありません」と。
 東海大甲府戦の翌日、尾崎宇部鴻城監督は「最後まであきらめず本当によくやった」と選手たちを褒めた。きびしく叱られた日々もあったが選手たちの目には感動の涙があったという。
 春と夏、甲子園に高校球児たちの熱闘譜が繰りひろげられる。
 列島の風土が白球と共によみがえる。 
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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