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2012年09月22日

札の辻・21

 9月も中旬を過ぎると徳地、徳佐の山間部では朝晩に冷えこみを感じるようになって、コスモスが開きススキの群落が薄青い穂を出してくる。
 落葉樹はいずれも落葉以前の葉柄基部に隔離層ができ紅葉現象がはじまる。この時季には山口盆地を囲る山々のカエデ、ドウダンツツジ、ニシキギ、ハゼノキ、ツタウルシなどがそれぞれに秋色の個性を現す。
 しかし盆地周辺の山肌だけが秋を彩るばかりではない。
 市内、大路小路の道筋に清澄な季節到来をつげる町の木モクセイの香りがある。住宅地の庭先に植えられたこの花の匂いは、風向きによるとかなり離れたところまで漂ってくる。
 芳香といえばライラック(リラ)の甘い香りと異なり花粒が重なって鮮烈である。
 モクセイが中国から渡来したのは仏教伝来と同時代といわれている。寺院や神社の境内に栽植されることが多く、静岡の三嶋大社境内には高さ15メートル、根回り3メートルで枝のひろがりは20メートルの巨木があり伊豆旅行で見学したことがありおどろく。
 モクセイにはキンモクセイとギンモクセイがある。ギンモクセイの白に対してキンモクセイは黄金色をしている。
 例年、秋の渡り鳥が姿を見せる頃モクセイは花をつけ芳香を漂わす。自然の絶妙なサイクル仕組みなのだ。ことしも又秋の黙示録が開かれる。 (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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