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2012年09月29日

札の辻・21

 酔うてこほろぎと
 寝ていたよ 山頭火

 1938(昭和13)年の夏、詩集「山口県詩選」が刊行され、その中に国木田独歩、中原中也、種田山頭火、和田健など山口ゆかりの作家たちの作品も収録された。
 その出版記念会が市内米屋町の旧八木百貨店内食堂で開催された。
 よろこんで会に出席した山頭火は湯田から当時のバスに乗って米屋町へ。そしてひる飯に出された酒からはじまって湯田へ帰りつくまで飲みつづけて、ついには中原中也の家にまで至り泥酔して眠ったという。
 山頭火は行乞の合間にも酒を呑む。彼は当時、酒のことをガソリンと呼んだらしい。そして飲み方も「一合ほろり、二合ほろほろ、五合とろとろ」と呼称して際限がなかったと俳友荻原井泉水は語っている。酒と放浪の山頭火を支えたのは井泉水が主宰する句誌「層雲」に集う俳友たちでもあった。
 医者や商店主などが破れ笠の山頭火をあたたかく迎えている。
 その頃、湯田風来居に住む山頭火は友人に対し「東行西行、南西北西、あれやこれやの果てはここに落着きました。草の中から人間の中への文字通り佗住居ですが、温泉はいつもこんこんとあふれます」と挨拶状。
 わいてあふれる
 湯のあつさ汗も涙も
       山頭火
        (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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