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2012年11月24日

札の辻・21

 庭のカエデが枝先から紅葉してきた今月のはじめ、白く小さい羽紋のあるジョウビタキが、季節の定期便の如く姿を見せひそかな声でクワッ、クワッとつぶやくように鳴いた。
 西中国山地の山村育ちの自分にとってこの鳥の声はなつかしい。あの頃、子供達はジョウビタキをヒンコチと呼んだが、後に新聞記者の友人から鹿児島地方ではヒンカツという呼称でなじみがあると聞いた。
 ジョウビタキは姿を見せたがカエデの近くにある一株のマンリョウの赤い実はまだ残っている。例年この時期になるとヒヨドリが2・3羽飛来し残さずについばむのだが今年の赤い実はそのまま。ヒヨドリは本土から九・四国へ大群となって、海面すれすれに渡る頃、落ちこぼれたちが姿を見せるが昨年もついに赤い実は春先まで枝に残されたままだった。
 ヒヨドリと同じように集団行動のムクドリは数少ない日もあり最近は小さい群で姿を見せる。
 ムクドリは北海道から九州に至る盆地や人里の近くに棲みつき街路樹のつづく市街地にも多く人家の屋根裏の隙間などに営巣することがある。繁殖期が終わり秋天高い頃は一段とにぎやかだ。
 このように秋の渡り鳥たちは北から南へと群れになるので雲が動くほどに見られ俳句では鳥雲の季語まである。
 近くの仁保川にカイツブリ2羽だけを見る。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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