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2013年01月26日

札の辻・21

 寒中なのに渓流釣りの友人が山あいの谷川土手に頭をのぞかせているフキノトウを10個ばかり届けてくれた。
 まだ包皮をもつ薄みどり色の若い芽には、春を先駆けるフキ独得の強い香りが匂う。
 かつて、山肌の日陰に残雪のある仁保ゴルフ場のコース脇の道端で、フキノトウを見つけて喜ぶと、仲間のひとりが「そんなものに夢中だからいつまでも下手」と笑ったが、自然の芽生えがゴルフのスコアに関係なくうれしかった。
 まだ雪の残るうちから黒っぽい土を割って芽先をもちあげてくるフキノトウには、偲び寄る春を待つ風情が感じられ季節先取りの告知である。
 雪国になるほど待ち遠しい春の使者だから、現在東北の地震被害地域ではなおさらであろう。
 フキノトウはまだ開かない花芽を寒さから守るため幾重にも固く苞を重ねているが、この時期がもっとも味覚にあふれた食べ頃となる。
 此頃は温床栽培のフキノトウが師走から正月にかけて出回るが、四国、九州のハシリものとは香りにとぼしい。
―美しい水があれば、そこには生命が宿る。魚がいればこそ自然は生きている。カモやオシドリやアオサギなど水鳥たちは渓流のひびきに生きる。―立松和平(雪が誘う)
 フキノトウを届けた釣友から釣果の報告はなかったが、渓流岸の春の息吹きを天ぷらにした。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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