2013年03月09日
札の辻・21
3月となった。春ほど待たれる季節はない。ことに記録的な豪雪に春の歩みを遅らせている東北地方や北海道はことさらにまだ冬景色が残る。
今の時季、気象の特徴を最もよく表現した句に「冴え返り冴え返りつつ春半ば」(泊雲)がある。歳時記の季語には「冴え返る」「寒返る」「寒もどり」。3月に入るやいったんゆるんだ寒さがふたたびきびしくなることを指す。
暦の春は東洋文化圏では立春からだが西洋では3月の下旬となる。
この頃、山口の公園や民家の庭先でツツジ科の常緑樹アセビが白い小粒で房状の花をつけはじめた。
アシビともいわれ、馬がこれを食べるとマヒ状態になることから馬酔木とも書き有毒植物とされている。
本州の中部以西、中・四国、九州の比較的に暖かい地方の山野に多くわが家の狭い庭にも3本ほど自生があって今白い花を小さくつけている。
京都の八坂神社ではアセビが多く植え込まれ、奈良の春日神社には自生種が多いのだが見事な花房を鹿たちは見向きもしない。馬と同様に有毒を鹿も知っているか。
=どこか犯しがたい気品がある。それでいて手折って人に見せたいような、いぢらしい風情をした花は万葉の人達にも愛された=堀辰雄。
万葉人でなくとも、水割のグラスに浮かべるだけでもしてみたい。(鱧)
今の時季、気象の特徴を最もよく表現した句に「冴え返り冴え返りつつ春半ば」(泊雲)がある。歳時記の季語には「冴え返る」「寒返る」「寒もどり」。3月に入るやいったんゆるんだ寒さがふたたびきびしくなることを指す。
暦の春は東洋文化圏では立春からだが西洋では3月の下旬となる。
この頃、山口の公園や民家の庭先でツツジ科の常緑樹アセビが白い小粒で房状の花をつけはじめた。
アシビともいわれ、馬がこれを食べるとマヒ状態になることから馬酔木とも書き有毒植物とされている。
本州の中部以西、中・四国、九州の比較的に暖かい地方の山野に多くわが家の狭い庭にも3本ほど自生があって今白い花を小さくつけている。
京都の八坂神社ではアセビが多く植え込まれ、奈良の春日神社には自生種が多いのだが見事な花房を鹿たちは見向きもしない。馬と同様に有毒を鹿も知っているか。
=どこか犯しがたい気品がある。それでいて手折って人に見せたいような、いぢらしい風情をした花は万葉の人達にも愛された=堀辰雄。
万葉人でなくとも、水割のグラスに浮かべるだけでもしてみたい。(鱧)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│札の辻