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2013年03月23日

札の辻・21

 おもかげは
 金子みすゞや春の傘
        変哲
 昨年暮の12月10日に亡くなった小沢昭一(俳号変哲)著“俳句で綴る変哲半生記”の中の一句である。
 変哲氏は俳句と出会って四十余年、こころを詠んで約四千句をまとめたと語っているが、句集には吾々と同世代のもつ戦争末期と戦後混乱期の思索と懐旧がないまぜになってにじみ出ている。
 いま大阪では大相撲の春場所で「春場所の草履の音や浪花風」と「幕下の春優勝の一斗樽」の2句は関取りよりも幕下力士に注目する変哲好みが触れ太鼓に重なる。
『春の夜の春来たる音
 春あらし
 私には相当にボケが進んでおりますが、でもまあ俳句のおかげかあと思っております。
 俳句はたのしいのです奥が深くて、やればやるほどムズカシクなることをふくめて、私もう八十才の大台にのりました。もう少し、世の中にオジャマしたいと思いますが俳句にすがれば叶うかも知れません最後に私めの心境句を、
 もう余禄
 どうでもいいぜ
 法師蝉
          』
 民放大会のレセプションで氏と周防サル回しの話をしたことをなつかしく思い出す。
 雪舟の庭と伝えて
 小さき滝   変哲
 サル回し取材で来山したときの句だろうか。
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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