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2013年09月07日

札の辻・21

 『われわれにとって、いかなる作品をつくり出すかは、いのちを賭けて追求する命題となる』とは、生前の画家香月泰男氏が宮野にあったビラ・プリンスの一室でワイングラスを傾けながら大和保男氏に語りかけたことばを、同席していた私は思い起こす。
 “大和保男の陶芸―魂の造形”展が、県立萩美術館・浦上記念館で開催中である。
 大和保男氏は宮野小学校4年生の頃から家業の萩焼づくりを手伝っており、氏の作陶遍歴は70年余に及ぶ。
 山口での萩焼は大和作太郎翁(松緑)が萩から宮野の現在地に移住して開窯し、保男氏はその山口萩焼を伝承する。
 今回の萩展示作品は、波濤海流文長方陶筥、鉄線文茶碗、白釉掛文流水壷など初期時代からで、県の指定無形文化財保持者に認定され現在に至る保男氏の陶風は見事な多彩ぶりを極めている。
 古窯をはじめ全国の作陶に精通する作家宮尾登美子氏は大和保男作品ファンで、文化講演で来山した時、日程を変更してまで保男窯を訪れた。
 一楽、二萩、三唐津といわれるが、茶陶だけでなく鉢、壷などにも伝承が保男作品には素的に守られていると宮尾さんは話し、保男氏が制作中の仕事場まで足を運びつつ窯に入れる直前に並べられた作品に対し声をあげて見入った。
 保男陶芸は萩焼に見る指跡の技瀝である。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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