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2014年03月29日

札の辻・21

 サクラ便りを聞く頃になると、干満の差が大きくなり潮干狩の時期になってくる。
 県水産研究センターによると、県内のアサリ年間漁獲量は減少しており10トン前後に落ち込んでいるが、今年は約16トンの生産を見込み中という。
 アサリは主に内湾潮間帯の砂泥底に生息する。全国的な産地は東京湾、伊勢湾、瀬戸内海だが近年沿岸部工業地帯や沿岸改修工事などにより生産海域は減少してきた。
 ともあれ、アサリは潮干狩の主役である。
 縄文時代の貝塚から一番多く発見されたのがアサリの貝殻。以来日本人の常食となった。
 ビタミンA・B群が豊富で、汁もの、かき揚げ、ぬた、酒むしなど庶民の味と親しまれている。
 池波正太郎の小説「梅安最合傘」では次の一節が目を惹く。
 =出汁が煮え立った鍋の中へ、梅安は手づかみで千切りの大根を入れアサリを入れた。大根はすぐに煮える。煮えるそばからこれを小鉢にとり、粉山椒をふりかけ出汁と共にふうふういいながら食べるのである=と。
 江戸末期以来、東京深川には深川飯と呼ぶアサリのぶっかけ飯がある。ミソ味で油揚やネギにアサリのむき身を煮込んだもので春の味として今でも人気は高い。
 工場汚染地帯からほど遠い秋穂の海は大潮によって広い顔を見せる。
 あらはれし干潟に
 人のはや遊ぶ 敏郎
         (鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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