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2014年05月03日

札の辻・21

 薫風―俳句歳時記では夏の季語で、春の風が「光る」なら夏の風を「薫る」とする。
 もっとも往年の和歌で風薫るは花の香りを運ぶ意味で春の風にされている。
 薫風が夏の風となったのは「薫風南より来り殿閣微涼を生ず」や「東南の風を薫風と呼ぶ」などの漢詩から引用されてきたことにもある。
 風薫るは5月のさわやかな風を指しており夏の風は青嵐と呼ぶ。
 5月の風には鯉のぼりがある。水中魚を青空に泳がせるとは江戸庶民の奇想天外の発想であった。やはりさわやかな薫風の運ぶ風物詩となる。
 江戸住や二階の
 窓の初幟  一茶
 東京がまだ江戸時代の一茶による句だが、現在でもアパートなどの場合は、小型の鯉のぼりを窓ぎわに飾ったりしている光景もある。
 鯉のぼりといえば、プロ野球で広島カープの躍動も目立つ。
 空の青さに
 生き生きと
 はねてあばれる
 鯉のぼり
広島出身の石本美由起作詞“燃える赤ヘル”のカープ応援歌が球場に流れる日も多く、カープカラーの赤い色に染められたスタンドに白い打球が伸びてゆく。
 しかし5月の鯉のぼりばかりではない。
 連敗のつづいたDeNAベイスターズに寄せる“熱き星たちの歌”もあるから。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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