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2014年10月04日

札の辻・21

 山口県の中国山地近くの集落を行く道筋に、クマの出没を伝える記事を見ることが多い。
 北海道でのヒグマを除いて本州に生存するのはツキノワグマで、九州や四国には見掛けられぬ。
 クマは童話や動物園ではなじみもあるが、決して身近な存在ではない。
 単独行動をし大きな体を保つには大量のエサを必要とする。
 北海道にいるヒグマはユーラシアと北アメリカ地方に分布し、ツキノワグマはヒマラヤ山系からアムール流域に生息。
 日本では夏場が過ぎて秋を迎えるようになるとドングリや山ブドウが実ってきて、クマ達は木の実を中心にした採食をして歩く。
 冬眠直前のクマの皮下脂肪の厚さは、5.6センチから10センチにも及ぶとされ、冬ごもりの期間はいっさい食物を求めない。
 秋の台風や冷害の年には木の実が少ないので、空腹をしのぐためしきりと人里の近くにまで現れて果樹までねらう。
 山間の天然林が広範囲にわたって伐採されたり、道路工事による発破などにおびえて逃げ迷う。
 しかしクマとは近距離での出会いは危険である。ボリショイ・サーカスの動物調教師によれば、どの動物よりもクマのとりあつかいはむずかしく、トラやライオンは突然大きい音がすると逃げ出すが、クマは反対に近くの人間に飛びかかると。
 行楽の季節到来、山歩きには注意を。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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