サンデー山口

　ＡｒｔＪｏｕｒｎａｌの夏季と秋季の2大冊が、在山の彫刻家である田中米吉氏から届けられた。
　紹介されている田中氏の作品は、天井の高いアトリエの空間を占有する大作であり、写真に入っている大男の田中さんが小さく見えるほどの圧倒感もある。
　現在、この作品が置かれているのは仁保の自然林の一角で、ドカッと据え置かれている。
　田中作品はこれまで現代日本彫刻展大賞、毎日新聞社賞、フジサンケイ国際彫刻展賞を受賞して、埼玉県立美術館や長野県の美ヶ原高原美術館などに作品が設置されている。
　送られた2冊には日本画部門大賞、洋画部門大賞、書道部門大賞がふくまれており、＝作品を置くスペースが狭くなりアトリエを増築しました。お立寄り下さい＝との添え書きもあった。自然林の中のアトリエはめずらしい。
　冬ノ裸ノ樹木ダケノ。
　裸ハ真実美シイ。
　小サイ庭ノ大キナ樹。
　槐ヤ欅ヤメタセコイヤ。
　陣々ノ寒気ノ中デ。
　風吹ケバ風ノ気儘
　ナリニ枝々ハ揺レ。
　雪降レバ雪ノ思フ
　ママニ雪ヲ積ラセ。
　ソレゾレノ樹木ハ
　ソレゾレノ個性ニ従ヒ。
　ソレゾレガ
　ソレゾレ独リ燃エル。
　強イマットウナ
　樹木ノ倫理ダ。
　 　　　　　 草野心平
　年の昏に大和保男氏と田中米吉さんを語り合った。（鱧）