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2015年04月18日

札の辻・21

 ある花見の集いに出された弁当から、小田原だ焼津だのとカマボコ論がひとしきり。
 カマボコに関しては山口県にも一家言ある。
 海に囲まれた山口では江戸時代から“長州カマボコ”として売出されるようになり、素材はエソ、コチ、メバル、キスなどが主体であった。
 全国的にカマボコ産地としては、仙台、小田原、宇和島、富山、仙崎、萩、防府、高知がよく知られており、各地は地元産の魚を素材にする。
 カマボコの伝承は古く室町期にはナマズの摺り身を竹の串につけて焼くようになり、蒲の穂に似ているのでカマボコと呼ばれるようになったという。元禄年間の「本朝食鑑」には素材としてアマダイ、ハモは上、ヒラメ、シロギス、ハゼ、イカ、エビは中でナマズ、フカは下との記述もあり、あらゆる魚介類の適応性が検討されている。
 竹串に刺した魚類は竹輪になり、板に摺り身を張りつけて焼いたり蒸したものは板付カマボコとなっている。
 炭火焼き、鉄板焼き、蒸す、茹でる、揚げるなど加熱調整の仕方によっても異なってくるカマボコ料理は日本人のすばらしい味感覚である。
 残念なことに、いつ頃、誰によって考案されたかは明らかでない。
 江戸時代以降、多くの人々の長い間の知恵と工夫がカマボコをつくり出した。花見の弁当にカマボコはさわやか。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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