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2015年05月09日

札の辻・21

 さわやかに吹き寄せる川風に並列された鯉のぼりがはためいた山口盆地に、夏への足音は高い。
 この頃の風を、薫風と呼ぶのは季節感にあふれた言葉である。薫は男の名にも女にもある。
 古くからの友人で直木賞作家の古川薫氏がなつかしい。
 風薫るという言葉には初夏のみどりの樹々が眼に浮かんでくるし夏の匂いを枝先にまで伝える。
 薫風は青嵐や青東風とも異なる風で、室町の連歌時代に花や若芽の匂いを想い起す風でもある。
 最近ヨーロッパ旅行から帰国した友人からパルテノンの丘のふもと、旧ローマ市場の遺跡の一角に残されている「風の神様」の話を聞いた。風の塔の壁面に風の神様像が浮彫りされているとか。
 パルテノンに関連して古川薫氏の随想「幕末・長州に吹いた風」の中の一節を思い出す。
  =この春、エジプトへ旅行したとき、ルクソールの民家で奇妙な落書きを見た。建物の壁に画かれた稚拙な画は、メッカへの巡礼を済ました事を誇示したものらしい。メッカに対するイスラム教徒たちの熱いあこがれの情を知って厳粛な気分にもさせられた=と。
 わが家の庭にある楓の若芽はいつの間にか若葉となり、それこそ薫風にそよいでいる。
 薫風や下戸に戻りし
 老が宿    太祗
 近頃わが晩酌は湯割りの焼酎を少しだけ、近づく夏を想いながら。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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