2015年06月10日
明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㉒ 【幕末歴史小説】 行雲流水 高杉晋作

▲母・ミチ
(3日付・松前了嗣さん寄稿の続き)
白張りの高提灯
2月27日、晋作は三田尻港(防府市)に上陸。
その後、山口の自宅へと戻った彼は、刺客に備え、その晩は、家政婦の部屋として使用している2畳の落間に床を取りました。
それから間もなくして、藩政府から親類預けの命令を受けた彼は、3月19日、萩の実家に戻り、座敷牢に入れられ、親族の監視下におかれることになりました。
その数日後、高杉家では、無事に帰宅した晋作のために、すでに嫁いでいた妹のタケとハエがやって来ました。
母、妻、末妹のミツも食事の準備に大忙しです。
その日はまず、おはぎが出され、その後は彼の大好物、長州鮨(鯛の白身で作った押し寿司)が出される予定でした。
しかし、それまでにぎやかだった高杉家が、突然静まりかえりました。
晋作を野山獄に入牢させるため、突如、藩から捕吏がやって来たのです。
来島説得の復命を怠り、脱走した罪により、新知160石、士籍、そして藩主より拝領した衣装を没収された彼は、用意された駕籠へと乗せられ、獄へと向かうのでした。
護送されるその先頭には、葬式の時と同様、白張りの高提灯が夜の闇をあやしく照らしていました。
(続く。次回は17日付に掲載します)
明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㊽ 【幕末歴史小説】行雲流水 高杉晋作
明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㊼ 【幕末歴史小説】 行雲流水 高杉晋作
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明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㊺ 【幕末歴史小説】 行雲流水 高杉晋作
明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㊹ 【幕末歴史小説】 行雲流水 高杉晋作
明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㊸ 【幕末歴史小説】行雲流水 高杉晋作
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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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