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2015年11月04日

明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㊷ 【幕末歴史小説】 行雲流水 高杉晋作

明治維新鴻業の発祥地、山口 ―詩酒愛すべし 美人憐れむべし―㊷ 【幕末歴史小説】 行雲流水 高杉晋作
▲奇兵隊軍監・山縣有朋(絵・苑場凌)

(10月28日付・松前了嗣さん寄稿の続き)

萩進撃論

 「わしとお前は焼山かづら うらは切れても根は切れぬ」
 1月14日、晋作は、下関から遊撃隊を率いて、諸隊と合流。これはその時、彼が山縣有朋に贈った俗謡です。
 長府では山縣と意見を異にした晋作でしたが、そのことを恨んではいませんでした。
 16日、下関から駆け付けた晋作は、萩政府軍を赤村(美祢市)から明木(萩市)まで退却させます。
 一方、佐々並(萩市)では、15・16日の両日、井上馨を総督とする鴻城軍が萩政府軍を撃破。快進撃を続けていました。
 この勢いに乗じて晋作は、萩城下へ進軍しようと主張。しかし、山縣が異を唱えます。
 「この先は高山深谷。進軍は極めて危険。そこで吾輩は、山口を根拠地とし、3方面から萩へと進む。これが万全の策と考える。じゃが、諸君が高杉君の意見に賛同するのであれば、吾輩もそれにしたがうのみ。その際は、一隊や二隊、全滅するぐらいの覚悟が必要である。ならばその時は、吾輩が先鋒を致そう」
 「山縣。ここはお前のいうとおり、一旦、山口に移ることにしよう」
 こうして晋作が折れる形となり、彼らは移陣を決めたのでした。
(続く。次回は11日付に掲載します)


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