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2016年03月12日

札の辻・21

実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)

 東北では雪空の時季がカレイのシュンと呼ばれているのだが、この魚はそれぞれの季節風と共に北から南へと日本列島を渡ってゆく。
 山口県内でも周防大島や笠戸島沿岸と内海一帯、それに各島々の磯までサクラ前線と共にカレイ前線も伝わってゆく。
 カレイとの春の訪れを強く感じるのは、私が幼い頃からカレイの味覚に親しんできたからか。
 カレイは世界各地の寒帯から温帯にかけて分布し、日本産には約40種のカレイ科魚類がいる。
 この魚は褐色で海底の模様に合わせて体色を変化させることもある。
 底びき網や定置網などで多く漁獲され激減したこともあるという。
 北洋漁業の増加で漁獲量は大幅に増えたが、近年は2百海里水域により漁獲が減少し、大衆魚であったカレイも時には高級魚とされることもある。
 山口県の周防洋とも海域の近い大分県の城下カレイは、カレイ仲間のうちでも逸品だとされている。
 これは大分県の日出町に産するマコガレイのことで、海水と清水のまじった餌の豊富な海域に育つので、独得な味覚を持つようになったとか。
 江戸時代には参勤交代のとき徳川家へ献上して喜ばれたとの伝説も残っている。
 これから先、3月から4月にかけては花見カレイの呼称もある。
 瀬戸内産のマコガレイが楽しみである。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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