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2016年05月28日

札の辻・21

実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)

 5月も下旬となり、一の坂川の夕べが賑わう頃となってきた。
 世界には約2000種のホタル類が生息していると知られているが、日本でホタルというとゲンジボタルかヘイケボタルを指すことが多い。
 水田や溜池に生息し直線的に飛ぶヘイケボタルと比べ、河川(流水)に生息するゲンジボタルの姿は大きく、強い光で曲線的に飛ぶ。
 一の坂川の川沿いを流線形に乱舞するゲンジボタルの光景は美しく、山口の風物詩である。
 幻想的なホタルの光の点滅だが、地域によっては異なるらしい。
 東日本では四秒に一回、西日本では二秒に一回、東西の境界線あたりでは三秒に一回という。
 温暖の差であるとか、地域別に遺伝子が異なる等、諸説はあるが、ホタルの言語に方言があるのかと思えてくる。
 ホタルの語源は「火垂る」や「星垂る」との説もあるが、ホタルは古来から日本人に親しまれてきた。
 古くは日本最古の万葉集から江戸時代に及ぶまで、多くの詩歌や俳句に登場している。
 とくに江戸時代には「ホタル狩り」が盛んで、夕涼みがてら団扇や虫かごを手にした人々の様子が描かれた浮世絵などはなかなか風情がある。
 一時期に激減したホタルだが、平安からの風流なたしなみが今に続けられるのも、環境への取り組みや努力と感謝したい。(鱧)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)札の辻
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